無に帰す

 

無に帰す危うさを精一杯に抱いて

のうのうとした世間に睨みを効かせる君は

完璧な問いを小脇にあぐねたまま

いつか僧侶と対面するだろう


駆け引きの無能さを否定する本能の訴えは

過剰に僅かな睡眠質を奪い

眠れないまま迎える朝の光が

心地良く心臓を圧迫し心穏やかになる


眩しい 眩しい 眩しい

私からすれば周りの全てが

けばけばしい おどろおどろしい

周りからすれば私の全ては

何も見えない 見えるはずがない


聞こえる筈の声も聞こえないとき

私の心は貴方に持っていかれる

引き裂かれるより掴まれる方が

楽でいて 正でいて 暇が無い


無に帰す危うさを返して欲しい

以前にも増して返して欲しい

水をやるより独りでに育つ

綺麗な花が芽覚めているから


並ぶお店は無いでしょう

渡す相手もいないでしょう

例え枯れても飛び散っても

咲いた記憶が忘れない


居場所を居場所たる根拠は無い

風を纏えば何処へでも

不可逆回転 願いに迫られ

貴方を見つける狭い部屋を出て

 

 

(即興詩 推敲無し 執筆時間13分 )