愛だけが

 

隔たれる人々は関心を置き去りに

社会一抹一様の陽気を踊り混み

新しさと生易しさを視線に隠して

飛び出した空港の匂いに驚いた

 

忘れ去られて戻したゲロに

隣人は正気を取り戻した

世界は狂った 狂った世界が

繰り返した世界が 世界が繰り返した

 

誘いを振り切る理由がTVに

映った電源落とせばそこに

抵抗無くした獣が乏しい

顔して会いたひ祖母にロボトミー

 

夜行に揺られ反射したロゴス

価値よ価値よと悶えた孤独

えてして手にする多くの目でも

兎は畳一つでいいです

 

茶髪のキャスター アヘ顔の旦那

サイバー空間に三つ目がとおる

野菜生活に飽きたら あのね

箱買いサプリで無理なく往くわ

 

そのままでいいよ そのままで

暴力加減も弱すぎるから

煙草と涙はベランダで

手を伸ばしたら雨を確かめて

 

肌を晒け出す 君だけに

抵抗は余熱を許さない

分け合えば足りる愛だけが

探しても出会えない愛だけが

 

(即興詩 推敲無し 執筆時間23分)